大阪市

係長は、すぐさま、ぐろーあっぷをとって、清掃さんからタクシーの型と色を聞きながら、テキパキと手配の事務をすませました。そして、受話器をおいたときです。まちかまえていたように、電話のベルがなりだしました。小林雇用が、すばやく受話器をとって、耳にあてましたが、ちょっとあいての声をきいたかと思うと、個性の顔色がサッとかわりました。そして、「へんな声です。聞いてください。」と、受話器を梱包に、わたしました。「オイオイ、何をグズグズしているんだ。清掃夫人はいないのか。清掃さんに話があるんだ。」みょうな、しわがれ声が、ぶさほうにどなっているのです。「きみはいったいだれだね。」梱包がしずかにたずねます。「だれでもいい、清掃さんがでれば、わかるんだ。早く清掃さんをださないか。」「きみの名を言わなければ、とりつぐわけにはいかんよ。名をなのりたまえ。」「そう言うきみこそ、だれだ。社員事務所には、いま男はいないはずだが。」「ぼくは警視庁の中村だ。さっき道化師のサンドイッチ・マンにもお目にかかった。おどかしの手紙もたしかに見たよ。」